薬師寺(世界遺産)の東塔(国宝)は「凍れる音楽」と評された名建築です。
このたび、解体修理に先立ち、2011年3月1日から20日の期間、東塔内陣が公開されました(建築後初めて)。
修復後は建設当時の色彩がほどこされますので、1000年の時を経た状態が見られるのは今回が最後になります。
また、修理が始まると、、塔全体は覆われてしまい、修理完成(2018年予定)まで外からも見ることができません。
3月16日、「曇り時々小雨か雪がちらつく」天候のなか、「解説付き」で東塔、西塔とも内陣を見ることができました。
前回の修理、「明治の修復」は素人判断ながら“ちょっと荒っぽい”とも見えるものですが、
塔の四方の柱は基石に接する部分が、基石の沈下、柱の劣化を加味してそれぞれ10〜20cmほど継ぎ足されて居ました。
塔は解体されてはいませんし、現在のように大型クレーンのない時期に、どうやって柱を継ぎ足したのでしょうか?
しかも、柱の劣化と基盤の沈下具合の違い分を、長さを合わせ、しかももとの柱と追加部分は組み込みで行われていました。
内部の装飾は退色が激しくほとんど見えません。その装飾は新しい西塔に施されています。
西塔の彩色が東塔修復後の状態となると予想されます。すなわち、1000年前の建設時の状況を西塔で、1000年後を東塔で見ているといえるでしょう。
解説役のお坊さんが「是非修復後も来て比べて見て下さい」とのことです!(2018年ではね・・・・・)